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スウェイン・ロンドンの新製品や受け継がれる歴史について、最新情報をお届けします。

ブリッグの杖とステッキ

ダンディズム

ファッションアクセサリーでありスタイルの象徴でもあったステッキは、常に「身につける」ものであって「持ち歩く」ものではないと言われていました。これは現代におけるネクタイに例えることができます。紳士はその日の気分や場面に応じてネクタイを変えるように、当時のダンディなジェントルマンたちはステッキを1本や2本ではなく、何十本も揃えていたのです。

ブリッグのステッキと杖 

1838年、セント・ジェームズ・ストリートのブリッグは製品ラインを拡大し、に加えて高級ステッキの販売を始めるという戦略的な決断を下しました。ステッキは、君主、王族や高官が手にする笏(しゃく)や錫杖(しゃくじょう)に着想を得て、権威の象徴へと進化しました。やがて「ダンディ」の登場により、ステッキはおしゃれな紳士にとって欠かせないファッションアイテムとなり、1850年代にはブリッグは幅広いスタイルのステッキを本格的に展開するようになっていました。

昼用と夜用のステッキ

昼間に使うステッキは軽量の木材製で、竹や籐がよく用いられました。持ち手のデザインは控えめなものから、「Zair:ザイールブランド」によるとされる手彫りの動物の頭など、遊び心あふれるユニークなものまで幅広く存在しました。

夜会用のステッキは、黒く染められた広葉樹や、高価で希少な素材――例えば金や水晶で飾られたべっ甲、宝石をちりばめた飾り玉(ノブ)などで作られることが多くありました。 

紳士が田舎の邸宅で余暇を過ごす際に使う、意図的に素朴さを演出したステッキの種類もありました。これらはたいてい、むしろ洗練された技巧が凝らされていました。ブリッグは、傘づくりで培った技術を活かし、多くのステッキの装飾を自社で手がけていました。